アメリカ国務省 迎撃ミサイルSM-3の日本への売却を承認

Topics

アメリカ国防総省の国防安全保障協力局(DSCA)は11月19日の声明で、イージス艦に搭載する迎撃ミサイルSM-3ブロックIB 8基と、SM-3ブロックIIA 13基を日本に売却することが国務省に承認されたことを発表しました。

DSCAによると、SM-3 IBおよび IIAミサイルキャニスター(発射筒)、アメリカ政府の請負業者による技術援助、整備や物流支援、物流プログラムのサポートなども含めて、5億6100万ドル(約631億円)のコストが見積もられています。

The Government of Japan has requested to buy eight (8) Standard Missile-3 (SM-3) Block 1B Missiles and thirteen (13) Standard Missile-3 (SM-3) Block 2A Missiles. Also included are SM-3 1B and 2A missile canisters, U.S. Government and contractor provided technical assistance, engineering and logistical support services, and other related elements of logistical and program support. The total estimated program cost is $561 million.

 

アジア太平洋地域の政治的安定と経済発展のため、同盟国の安全保障を改善することは、米国の国家安全保障の強化に寄与します。日本が強い自衛力を維持するための協力は、米国の安全保障にとって重要なことです。

今回の取引は、日本に弾道ミサイル防衛能力の向上をもたらし、日本とそこに駐留する米軍を守ることに貢献します。これらの装備を海上自衛隊に導入することは難しいことではないであろう。(意訳)

This proposed sale will contribute to the foreign policy and national security of the United States by improving the security of a major ally that is a force for political stability and economic progress in the Asia-Pacific region. It is vital to U.S. national interests to assist Japan in developing and maintaining a strong and effective self-defense capability.

The proposed sale will provide Japan with an increased ballistic missile defense capability to assist in defending the Japanese homeland and U.S. personnel stationed there. Japan will have no difficulty absorbing these additional munitions and support into the Japan Maritime Self Defense Force (JMSDF).

Japan – Standard Missile-3 (SM-3) Missiles (DSCA)

 

 

SM-3ブロックIBは、中距離弾道ミサイルへの対処能力を備えている。米レイセオン社と三菱重工業が共同開発した改良型のSM3ブロックIIAは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の迎撃や、通常より高い高度に打ち上げて迎撃を困難にする「ロフテッド軌道」の弾道ミサイルへの対応が期待され、日本が導入を目指す地上配備型の「イージス・アショア」にも搭載される予定。

SM-3迎撃弾(Raytheon)

 

SM3ブロックIIAミサイル

護衛艦「あたご』から発射されるSM-3ブロックIBミサイル

 

 

▼ アメリカ国防安全保障協力局Defense Security Cooperation Agency)は、国防総省の安全保障政策を担当する機関。大規模災害発生時の救助や後進国への人道支援、地雷除去活動支援なども行なっている。

 

 

▼ 今年の9月12日、海上自衛隊と米国ミサイル防衛庁によるイージス弾道ミサイル防衛(BMD)の迎撃試験が行われ、護衛艦「あたご」が、大気圏外迎撃ミサイル「SM-3ブロック1B」による弾道ミサイル迎撃テストに成功しました。

護衛艦あたご ハワイ沖で弾道ミサイル迎撃テストに成功
SM-3ブロック1B 大気圏外において標的に命中 海上自衛隊と米国ミサイル防衛庁...

 

 

護衛艦「きりしま」から発射されるSM-3ミサイル (photo : U.S. Navy)

 

 

 

▼この記事をシェアする

Leave a Comment

タイトルとURLをコピーしました