台湾、環太平洋合同演習(リムパック) RIMPAC 2022に初参加か

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米上院「台湾をリムパックに招待するべき」と提言

アメリカ上院は23日、2021年度の国防予算の大枠を決める国防権限法(NDAA)を賛成86、反対14で可決。同法案には、台湾の軍事力の強化、COVID-19パンデミックを封じ込めるための協力を支持する条項、アメリカ海軍主催の多国間海上訓練(環太平洋合同演習 リムパック) に台湾の参加を求めるべきとする提言などが盛り込まれました。

米国と台湾の関係の基礎である「6つの保証」の確認についても繰り返し述べられ、武器の販売、国防高官間の軍事交流、軍事演習など、台湾の軍事開発に対する米国の支援を強調しました。今後上院と下院ですり合わせが行われ、一本化された法案が両院で可決された後、大統領の署名を経て成立するようです。

米上院は現地時間23日、2021会計年度の国防予算の大枠を定める国防権限法案を賛成86、反対14で可決した。同法案では、中国が台湾を抑え込み、既成事実とするのを拒絶する能力を備えるよう米軍に求めているほか、米海軍主催の多国間海上訓練「環太平洋合同演習」(リムパック)に台湾を招待するべきとする提言が盛り込まれている。

台湾を支持する具体案として、リムパックやフォートアーウィン(カリフォルニア州)国立訓練センター(NTC)における合同演習、訓練などに台湾を招待することや、台湾旅行法に基づいて双方の軍高官の交流や軍事医療、人道支援における協力を拡大させることなどが提言された。

このほか、米海軍の病院船「コンフォート」と「マーシー」を台湾に寄港し、任務に当たらせるよう国防総省に求める提言もなされた。新型コロナウイルスの検査やワクチン・薬物の研究開発を含むさまざまな米台協力を続行するためとしている。

下院でも21日、国防権限法案が可決された。上院版とは内容が異なるため、今後上下院ですり合わせが行われ、一本化された法案が両院で可決された後、大統領の署名を経て成立する。

米上院が可決した国防権限法「台湾をリムパックに招待」と提言(フォーカス台湾)


台湾、米上院の「国防権限法」可決に感謝

23日にアメリカ上院で可決された「国防権限法」では、米軍は、中国が迅速に台湾をコントロールし、既成事実を作ることに対抗する能力を持つべきこと、および台湾を環太平洋軍事演習に招請することが提案されています。

総統府は24日、わが国の国防の安全性に対するアメリカ上院の重視と支持に感謝すると共に、わが国は今後も、台米間の安全保障の協力強化、インド太平洋地域の一員としての役割強化などについて、アメリカの行政機関と話し合いを継続するよう努力するとしています。

総統府はさらに、国家の安全保障を強化し、地域の平和と安定を維持する責任を果たすため、台湾は、系統立てて国防の強化や自らの防衛力向上に努め、国民全体の安全と福祉、および地域の安定と発展の確保に取り組んでいると説明しました。

一方、外交部の欧江安・報道官もアメリカの国会が近年、「国防権限法」で台湾とアメリカとの軍事協力と軍事交流の深化を積極的に推進していることに感謝すると共に、これは、台湾の安全保障と台湾海峡の平和と安定に対するアメリカの上院と下院の高い関心と支持を示していると述べました。

台湾、米上院の「国防権限法」可決に感謝(RTI 台湾国際放送)


以前から米国では、国際社会における台湾のプレゼンスを低下させようとする中国政府の意図に対抗するために、リムパックだけでなく空軍の演習「レッドフラッグ」、サイバー攻撃に対する国際演習「サイバーストーム」に台湾を招待すべきという提言が出ていました。

先月、今年8月のリムパック(RIMPAC 2020)に台湾軍がオブザーバーとして遂に招待されるかもしれないという報道がありましたが、現時点では正式な参加の可能性は低いようです。


 

ネットの反応

台湾RIMPACに参加するかもしれない。すばらしい! 世界が変わる、日本はどう変わる?

自由と民主主義 基本的人権を守るため日本国民と政治家の覚悟が必要、今度こそ選択を誤ってはならない。

これは米国が完全に中共に見切りをつけ、台湾を支持するという事。日本はどうする?

台湾が参加する事で、近年の外交儀礼的な意味合い傾向から脱皮して欲しい。

リムパック、海上自衛隊はトップクラスの実力との評価を得ています。

台湾をリムパックの一員として迎える事で強固な中国包囲網が出来上がる。自由なインド・太平洋にとって重要なパートナー。

台湾が国際社会でのプレゼンスをどんどん上げている。日米豪台で演習ができれば南シナ海、東シナ海の防衛に大きな成果になる。

台湾のリムパック参加は、我々が思う以上に中国国内に動揺を生む可能性がある。11月のアメリカ大統領選以降、さらに展開がありそう。

 

米台関係の重要な基礎「6つの保証」

1982年にロナルドレーガン元米国大統領から台湾政府に伝えられた、米国の台湾政策の方針「6つの保証」

1. 台湾への武器供与の終了期日を定めない
2. 台湾への武器売却に関し、中国と事前協議を行なわない
3. 中国と台湾の仲介を行わない 
4. 台湾関係法の改正に同意しない 
5. 台湾の主権に関する立場を変えない 
6. 中国との対話を行うよう台湾に圧力をかけない

 

環太平洋合同軍事演習 リムパック RIMPAC (RIM of the PACific exercise)

リムパックとは、2年に1度ハワイ周辺に各国の部隊が集まって行われる、アメリカ海軍主催の世界最大規模の多国間海上訓練。海上自衛隊も毎回参加し、艦艇や潜水艦、航空機に対応するための訓練を通じてアメリカをはじめ環太平洋諸国との連携を深めています。

今年の演習 RIMPAC 2020は8月17日〜31日にかけて行われ、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、艦隊による洋上での演習に限定して実施されるということです。

 

過去の演習の様子


▼リムパック演習に参加する各国の艦艇が真珠湾を出発(護衛艦「いせ」他) – RIMPAC 2018 (USA Military Channel)

リムパック演習に参加する各国の艦艇が真珠湾を出発(護衛艦「いせ」他) – RIMPAC 2018

 

RIMPAC 2018 – Prepare to Join Special Formation Exercise (US Defence News)

RIMPAC 2018 – Prepare to Join Special Formation Exercise

 

(photo : DVIDS)

 

 

 

 

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