京都府舞鶴市の海上保安学校で22日、卒業式が行われ、平成29年10月に入学した船舶運航システム課程第52期生253人(うち女子25人)の学生が海上保安官としての新たな第一歩を踏み出しました。
式では、粟津秀哉校長が各コースの代表者に卒業証書を授与。「褒められて反省、叱られて感謝」の言葉を贈り、「海上保安庁設立以来の伝統である『正義仁愛』の理念を体現できるように強い心、広い心と相手の心の痛みがわかる優しい心を持つことを目指せ」と激励した。
その後、石井啓一国土交通相が祝辞を述べ、岩並秀一海上保安庁長官が訓示。いずれも尖閣諸島周辺での領海侵入や大和堆での北朝鮮漁船の違法操業など緊迫する国際情勢、災害救助の必要性などにふれ、卒業生の活躍を期待した。
香住海上保安署に配属される長田(ちょうだ)歌雅也(かがや)さん(20)は「現場に出れる喜びと学校を離れるさびしさがあります。刑事警備業務で活躍したい」。境海上保安部に配属される雜部(ぞうべ)匠(たくみ)さん(22)は「国境の管区に配属されるので、日本の権益を守りたいと思います」と抱負を述べていた。
学生は卒業して海上保安官として任用されるまでは法執行を行う職務権限の階級はないが、海上保安官と同様に肩章、胸章、袖章があり、海上保安大学校生は金モール、金ボタン、海上保安学校生は銀モール、銀ボタンなどの規定があります。凛々しい表情で卒業証書を受け取った学生たち。彼らは今後、日本各地に配属されて海の安全を守る任務にあたります。
▼海上保安学校と海上保安大学校の違いについて
海上保安大学校と海上保安学校とはどう違うのですか? (第五管区海上保安本部)
海上保安学校へ入学するためには?
海上保安学校へ入学するためには、海上保安学校学生採用試験に最終合格し採用されなければなりません。高等学校卒業程度の学力を有している方を対象とした試験となっており、国民全体の奉仕者である国家公務員としての自覚と、将来、海上保安官となる意欲が必要となります。 (詳細は人事院ホームページをご覧ください)
採用試験は年2回実施しており次のようになっています。
・ 海上保安学校学生採用試験・・・毎年9月に第一次試験が実施されるもの
・ 海上保安学校学生採用試験(特別)・・・毎年5月に第一次試験が実施されるもの
この試験は、例年、
第一次試験・・・・9月下旬
第二次試験・・・10月中旬
第三次試験・・・12月中旬(航空課程のみ)
に実施されており、最終合格者の中から採用されると、翌年4月から入学となります。
申込受付は、7月下旬から行っておりますが、試験の詳細については、人事院地方事務局、各管区海上保安本部及び各海上保安部署にお問い合わせください。
海上保安庁について
海上保安庁は、昭和23年5月1日に創設され、海を舞台に海洋秩序の維持、海難の救助、海上防災・海洋環境の保全、海上交通の安全確保、国内外の関係機関との連携・協力を使命とし、「海の危機管理」の仕事を日夜たゆまず行っています。今後ますます多様化する業務を効率的に行うとともに、国民の皆様の声を反映させながら、柔軟に時代の変化に対応できる海上保安庁をめざしていきたいと考えています。海上保安庁の仕事 (PDF)
(photo : 国土交通省)
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