【太地町】入国拒否により反捕鯨活動家が減少

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活動家の逮捕、入国拒否により違法活動が減少

伝統的なイルカ漁を巡って妨害活動にさらされてきた和歌山県太地町で、来町する反捕鯨団体の活動家が減っています。ピークの2013年度には町内で200人が確認されましたが、17年度は50人となり、地域は一見、平穏を取り戻しつつあるように見えます。

 

反捕鯨団体の活動が活発化したのは、漁を隠し撮りした米映画「ザ・コーヴ」が2010年に上映されたのがきっかけだった。入り江に音でイルカを追い込む伝統漁法を批判的に描いた内容で論議を呼んだ。

県警によると、現地で確認された活動家の数は09年度まで毎年ほぼ2桁台で推移していたが、10年度は150人に急増、その後も増加傾向をたどった。撮影などを巡るトラブルが相次ぎ、12年には捕鯨の様子を表した銅像を壊したとして反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS)に関係するドイツ国籍の活動家が逮捕された。

その後、活動家の数は13年度を境に減少に転じた。法務省がSSのリーダー格の入国を拒否したことや、SSがメンバーを町内に派遣しなくなったためとみられる。県警は「活動家の大部分を占めたSSのメンバーが来なくなったことは大きい」と説明する。

一方、太地町漁協によると、敷地内での違法な動画撮影は減ったものの、活動家が公道から港を撮影するケースは今もある。組合職員は「やめてほしいが、『風景を撮っているんです』と言われれば、それ以上何も注意できない」と頭を悩ませる。かつてより減ったものの、嫌がらせのファクスが漁協の関連先に届く。漁の中止を求める内容や、「南無阿弥陀仏」と記した嫌がらせとみられる文書もあるという。

町の担当者は、こうした状況を憂慮しつつ、「合法的な漁で生活する漁師の権利は守りたい。しかし、法に触れない抗議活動であれば、こちらからは何もできない」と複雑な心境を明かす。 (8.27)

太地町での追い込み漁は来年3月末まで続く予定で、県警公安課のテロ対策官は「反捕鯨団体の動向を注視して警備を続ける」と話しています。

(毎日新聞)

 

 

太地町(たいじちょう)は、和歌山県東牟婁郡に属する町である。昔から捕鯨で全国的に知られた町で、日本の古式捕鯨発祥の地といわれる。和歌山県で一番小さく、全域が海と那智勝浦町に囲まれている。
シーシェパードSea Shepherd Conservation Society)は、海洋生物の保護のための直接行動を掲げる国際非営利組織の海洋環境保護を自称している団体。国際環境保護団体グリーンピースを脱退したカナダ人、ポール・ワトソンが1977年に設立。日本の法務省は主要メンバーの入国を拒否している。

 

 

日本の捕鯨: 日本では、有史以前から捕鯨が行われてきており、西洋の捕鯨とは別の独自の捕鯨技術を発展させてきた。江戸時代には、鯨組と呼ばれる大規模な捕鯨集団による組織的捕鯨が行われていた。明治時代には西洋式の捕鯨技術を導入し、遠くは南極海などの外洋にも進出して捕鯨を操業、ノルウェーやイギリスと並ぶ主要な近代捕鯨国の一つとなった。捕鯨の規制が強まった現在も、調査捕鯨を中心とした捕鯨を継続している。
漁への妨害 : 漁を隠し撮りした映画『ザ・コーヴ』の公開以降、和歌山県太地町の追い込み漁が反捕鯨団体の強い反発を受けるようになった。毎年漁期になると国外から外国人活動家が同町に抗議のため訪れ、漁業関係者との間でトラブルが発生している 。反捕鯨団体の過激な活動家が漁具の破壊や暴行などの不法行為で逮捕される事案も発生しており、第五管区海上保安本部が沿岸を警備し、和歌山県警が町内に臨時交番を設置して警戒に当たった。 警察から過激な活動家への指導・警告の件数が1シーズンで25件ほどになったり、破壊行為をした活動家が逮捕されている

 

 

2010年5月時点で国際捕鯨委員会(加盟国88カ国)の内、捕鯨支持国は39カ国、反捕鯨国は49カ国

捕鯨支持国 : 伝統的文化を持ち食糧として捕鯨をしている国々には、ロシア、日本、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島(デンマーク自治領)、カナダなどが挙げられる。捕鯨国のカナダは1982年に国際捕鯨委員会を脱退している。アメリカ合衆国は、国内少数民族の先住民生存捕鯨は是認しているが商業捕鯨には反対しており、そのように国内に捕鯨推進派・捕鯨反対派の両者を抱える国も珍しくない。
捕鯨反対国 : 捕鯨反対国には、商業鯨油目的の捕鯨を行っていた元捕鯨国のオーストラリア、フランス・スペインなどのEU加盟諸国、ラテンアメリカ諸国(反捕鯨の立場を鮮明にしているアルゼンチンやブラジルなどが主導するかたちで、他のラテンアメリカ諸国も反捕鯨の立場で足並みをそろえている)、ほかニュージーランド、インド等が中心となっており、これに与するNGOも多い。各国で反対理由は異なる。

 

 

日本のプレゼンス

和歌山県太地町畠尻湾

 

 

PRESENCE 日本のプレゼンス

シー・シェパードのメンバー(2014年 : 産経ニュース)

 

 

 

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