イージス・アショアの計画断念を機に 政府・自民党内でトマホーク配備論
地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画断念を機に、自民党は6月末からミサイル防衛のあり方に関する検討チームを設置。中国や北朝鮮の脅威に対処するため、発射拠点を巡航ミサイルなどにより破壊する「敵基地攻撃能力」の保有を目指などをテーマに議論を重ねています。
地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画断念を機に、自民党は先月末からミサイル防衛のあり方に関する検討チーム(座長=小野寺五典元防衛相)を開いている。その非公開会合では、敵のミサイル攻撃に対して「迎撃だけでは対応しきれない」と敵基地攻撃能力保有を求める意見が相次いでいる。複数の防衛相経験者や国防族の有力議員は「手段の一つ」(中谷元・元防衛相)などとトマホーク導入を主張した。
防衛省関係者は「海上自衛隊の護衛艦のキャニスター(格納容器)を少し改修すればトマホークを搭載できる」と語る。日本海上のイージス艦や護衛艦からなら北朝鮮のほぼ全域、東シナ海上からは一定の中国領土を射程に収める。
防衛省関係者は、どの海自艦が搭載しているのか敵は判別できないという戦略上の利点もあるとし、「『能力保有』を宣言しなくても、攻撃されたら反撃できるトマホークを持つことが抑止力になる」と説明する。
防衛省は、射程約500~900キロの外国製巡航ミサイルの導入も決めている。主に戦闘機搭載用だが、敵領空への接近はリスクもあり、佐藤正久前外務副大臣は9日の参院外交防衛委員会で「イージス艦だと(敵基地から)遠くの安全な場所から撃てる」と主張。敵ミサイル発射の探知・追尾段階で米海軍との連携も「容易」とトマホークの利点を強調した。
同性能の巡航ミサイルの国内開発には数年以上を要する。政府関係者によれば、平成25年ごろの日米の非公式協議で「トマホークは売却しない」との方針を米側から伝えられたことがある。ただ、「トランプ大統領と安倍晋三首相の信頼関係があれば米政府は売却を認める」との見方も強い。調達価格はイージス艦が搭載している弾道ミサイル迎撃用の「SM3」の10分の1程度で済む可能性があるという。
政府・自民にトマホーク配備論 中朝のミサイル攻撃抑止に期待 (産経新聞)
中国や北朝鮮は日本本土を標的とした弾道・巡航ミサイルを多数保有しています。そのため、通常弾頭型で約1300キロ以上飛ぶトマホークの配備は中朝の脅威に対するオプションの1つとなり、抑止力向上への期待となりそうです。しかし装備を持つことは、従来の「専守防衛」という日本の防衛の基本方針から逸脱しかねないとの時代錯誤な意見も未だに根強いようで、特に野党や左派系メディアからの反発がこれまで以上に高まりそうです。
【シリアに対する有志連合の攻撃を分析すると、航空機からの攻撃はリスクも多く、携行弾数も制限→政府・自民にトマホーク配備論 中朝のミサイル攻撃抑止に期待 】 https://t.co/QLAbrnX4N9
— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) July 27, 2020
【自衛反撃能力(敵基地反撃能力)、新型イージス艦からのトマホークも一案】
— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) July 19, 2020
シリアへの有志連合の攻撃様相を見ても、戦闘機からの攻撃よりイージス艦等からのトマホークの方が、安全な遠方地域から多数の弾数を発射。また、JASSMよりトマホークの方が安価。座して死を待つのが憲法の趣旨ではない。 pic.twitter.com/q6xyEg9gu6
▼潜水艦から発射されるトマホーク
▼シリアに対する有志連合の攻撃
US strikes in Syria launched from USS Porter (U.S Navy)
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