わが国固有の領土「北方領土」
北海道の北東洋上に連なる歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島、国後(くなしり)島、択捉(えとろふ)島からなる「北方領土」は、我が国固有の領土です。しかし、ロシアによる法的根拠のない占拠は今なお続いています。私たちが先祖から受け継いできた、かけがえのない土地である北方領土の返還実現は、日本国民にとっての悲願です。四島の一日も早い返還を実現し、この問題を解決するためには、私たち一人一人がこの問題への関心と理解を深め、返還に向けた強い意思を世代・地域を超えて共有することが大切です。
考えよう 北方領土 (政府広報オンライン)
▼今年度リリースされた防衛白書内の「北方領土はわが国固有の領土」「ロシア軍が事実上占拠して活動をしている」という従来からの記述に対して、ロシア外務省が「決して受け入れられない」と反発しているようです。
ロシア外務省のザハロワ情報局長は23日、日本の2020年版防衛白書が北方領土に関し、ロシアが「事実上の占拠」をしており、軍の活動を「より活発化させている」などと記述したことを受け、「受け入れられない」と反発した。
ザハロワ氏は北方領土について、「第2次大戦の結果、ロシアの主権下にある」と改めて主張。また、防衛白書における日本の軍備の説明は透明性に欠けると批判した。
日本の防衛白書に反発 ロシア (時事通信)
▼日本の防衛白書について、ロシア外務省の声明
マリア・ザハロワ報道官のブリーフィングより 2020年7月23日
日本の2020年版防衛白書に書かれたロシアの防衛政策に対する評価に注目した。
白書の内容が実状から著しくかけ離れているのみならず、軍事・政治的に緊張状態にあるアジア太平洋地域において専ら国家安全保障を確保することのみを目的とした我が国の方針に対する不信感と猜疑心に貫かれていることに、驚いた。防衛白書の中で「不法に占拠された日本固有の領土」と記される南クリル諸島での我が国の軍事活動について、日本政府が行う主張は決して受け入れられない。
改めて言っておくが、南クリル諸島は第二次世界大戦の結果としてロシアの主権下にあり、このことは国連憲章にも定められている。ロシアには南クリル諸島であらゆる活動を行う権利がある。残炎ながら、防衛白書は戦後「平和」憲法改正の方針を地域社会に示すことを避け、日本の軍備について透明性を欠いている。同様に、アジア太平洋地域においては地域内のすべての国家の利益と懸念とを考慮した透明性のある包括的な相互活動機構の設立がかねてより必要とされているが、防衛白書がこれについては目をつぶり、安全保障に対するブロック主義てきなアプローチを保持することを確認しているのは遺憾である。
日本の防衛白書について マリア・ザハロワ報道官のブリーフィングより 2020年7月23日(ロシア大使館)
▼ロシア議会は「領土割譲禁止」 違反者を処罰対象とする法改正案を可決、北方領土に対して強硬な姿勢を一段と強めています。
ロシアでは、今月行われた憲法改正で領土の割譲が禁止されたことを受けて、北方領土問題に対する強硬な姿勢が一段と強まっていて、ロシアの議会は、領土の割譲を過激主義と見なし、処罰の対象とする法律の改正案を可決しました。
ロシアで今月4日に改正された憲法では、領土の割譲が禁止され、これを受けて議会下院は22日、領土の割譲を含む領土保全への違反行為を過激主義と見なし、処罰の対象とする法律の改正案を可決しました。一方で、改正案は憲法の規定に従って、国境を画定することについては禁止項目から除外しています。
ただ、ロシア外務省のザハロワ報道官は16日、「国境の画定は日本との平和条約交渉とはなんの関係もない」と述べ、日本とは国境画定をめぐる交渉は行っていないとしたほか、ボロジン下院議長も、憲法改正を受けて領土をめぐる議論は終結させるべきだと強調するなど、北方領土問題に対する強硬な姿勢が一段と強まっています。
プーチン大統領としては、日本とは交渉を継続しつつも、安全保障や経済の分野での協力を優先させていくものと見られます。
ロシア側の動きに対してロシアに駐在する上月大使は16日の記者会見で「関心をもって注視している。領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと引き続き粘り強く取り組んでいく」と述べました。
ロシア議会“領土割譲は過激主義”処罰対象とする法改正案可決 (NHK NEWS)
令和2年版 防衛白書
令和2年版防衛白書は、令和元年度の内容を中心に、防衛省・自衛隊の活動や国際情勢を多面的に紹介しています。また、即時再生可能な多数の関連動画を配置するとともに、国内外で活躍する多数の自衛隊員の声を紹介するなど、これまで以上にわかりやすく、かつ親しみやすい白書となっています。
令和2年版防衛白書(防衛省)
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