「こうのとり」7号機(HTV7) 小型回収カプセルが帰還
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、ISS(国際宇宙ステーション)の実験サンプルを積んだ小型回収カプセルが、9月に打ち上げられた「こうのとり」7号機(HTV7)から切り離され、南鳥島沖に着水したと発表しました。カプセルは近くで待機していた船に無事回収されたようです。
宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)より分離された小型回収カプセルが着水したことを、11月11日(日)午前7時6分に確認しました。
「こうのとり」は、ISS(国際宇宙ステーション)運用に欠かせない補給品・利用物資などをISSへ移送し、ISSからの不用物資を搭載して、大気圏への再突入を無事完遂。今回で7機連続の成功となりました。
世界最大の補給能力を持つ「こうのとり」7号機では、これまでで最重量となる約6.2トンの輸送を実施し、日本製リチウムイオン電池を使用したISSでの新型バッテリや、アメリカやヨーロッパの大型実験ラックなどの大型の貨物を輸送しました。また、北海道、宮城県、岡山県、愛媛県、佐賀県から提供された生鮮食品なども、新鮮な野菜や果物を口にすることが少ない宇宙飛行士たちから大変喜ばれました。
宇宙ステーションで組み立てられたカプセルには、無重力環境で結晶化させたたんぱく質などの実験サンプルが入っていて、13日にJAXAの筑波宇宙センターに届くようです。
小型回収カプセルのミッションでは、揚力誘導制御技術と世界水準の軽量熱防護技術を用いて、我が国として初となるISSからの実験サンプル回収技術の獲得を目指しています。今回の技術実証で得られる成果は、我が国の地球低軌道からの実験機器等の回収における自在性確保と共に、将来の有人宇宙船にもつながる技術の獲得です。
カプセルを回収した船舶は南鳥島に向かい、回収された実験サンプルについては航空機での搬送を経て筑波宇宙センターに輸送し実験ユーザに届けられます。引き続き実験サンプルとカプセル本体の輸送を確実に実施して参ります。
今後は小型回収カプセルのミッションで得られた各種飛行データの解析を行うと共に、今回のミッションで得られた様々な知見を活かし将来の有人宇宙活動の自在性確保に向けて一同更なるチャレンジに取り組んで参ります。引き続き皆様のご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
「こうのとり」7号機(HTV7)大気圏再突入完了と小型回収カプセルの回収にあたって (JAXA)
▼JAXAが開発を進める小型回収カプセルのミッション概要
JAXAのTweet
宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)は、11/11(日)6時38分頃に大気圏に再突入し、7時06分に小型回収カプセルの着水を確認。
日本製リチウムイオン電池を使用したISS用新型バッテリ、ISSの機器や実験装置、日本各地から提供された生鮮食品をISSに輸送しミッションを完了しました! pic.twitter.com/OecIi6rPWg
— JAXA(宇宙航空研究開発機構) (@JAXA_jp) November 10, 2018
「こうのとり」7号機(HTV7)ミッションへの皆様の応援有難うございました。https://t.co/pPphZgFwcr pic.twitter.com/MkpNHIa8x2
— Koichi Wakata (@Astro_Wakata) November 11, 2018
カプセルはタイガー魔法瓶との共同開発
https://twitter.com/tigersahara_cp/status/1060366320636575744
小型回収カプセル
大気圏に再突入する小型回収カプセルのイメージ図
大気圏に再突入するこうのとりのイメージ図
ISS離脱直後のこうのとり
降下するこうのとり
南鳥島沖で回収された小型カプセル
ミッション成功を祝して記念撮影を行うHTVチーム (Photo : JAXA)
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