東北での大災害を想定 自衛隊による最大規模の災害対処訓練
陸上自衛隊東北方面隊は、東北6県で地震や津波、豪雨を想定した防災訓練「みちのくアラート」を実施しました。
東北での自衛隊による最大規模の災害対処訓練で、陸上自衛隊をはじめ、海上自衛隊、航空自衛隊、アメリカ軍を中心に、東北6県の自治体や関係機関などが参加して連携の強化を図りました。
陸上自衛隊東北方面隊や東北各県の自治体などが参加する大規模災害訓練「みちのくALERT(アラート)2018」が9日、始まった。11日まで。東北での災害時、関係機関の連携を強化する狙い。この日は自衛隊と自治体など関係機関が各地の被害状況を把握、共有して初動対応に当たる動きを確認した。
同訓練が行われるのは平成26年以来4年ぶりで、今年で3回目。計約1万3200人の自衛隊員が参加した。東北各県の太平洋側では津波の到達、日本海側では豪雨災害を想定。陸自仙台駐屯地(仙台市宮城野区)では隊員が同訓練では初めての導入だという防災情報共有システム「SIP4D」を使い、参加機関と各地の被害状況を把握する訓練に取り組んだ。
自衛隊1万3200人が災害訓練「みちのくアラート」(産経新聞)
陸上自衛隊東北方面隊 みちのくALERT 2018概要
みちのくアラート2018の目的は、東北地区内の自治体、関係機関等及び自衛隊が一体となって大規模実動演習を実施して東北地区の災害対応能力の向上を測ることにあります。
アメリカ軍との訓練では、前回に引き続いて、MV-22オスプレイを活用した人命救助の実施や、捜索救助、患者空輸、物資輸送等の訓練が行われました。
今回から新たに、水陸両用車(AAV7)を投入した人命救助や捜索救助訓練も実施されたようです。
▼水陸両用車が海自輸送艦「おおすみ」に乗船する様子
(photo : 陸上自衛隊東北方面隊)
被害状況を把握するための防災情報共有システム SIP4D とは?
SIP4Dとは、防災科研が開発している「府省庁間連携災害情報システム」のことです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、災害対応する各機関が保有するデータの情報共有に関して課題が残りました。
例えば医療現場では、DMAT(災害派遣医療チーム)が現地に到着してもどの病院がどのくらい被災しているのか、受け入れはできるのかできないのか、さらにそこに行くまでの道はどのようになっているのか、情報が共有できなかったために結果的に亡くなった被災者もいました。
後から分かったことですが、それらの情報は存在しなかったわけではありませんでした。ただ、当時はそれらの情報を共有する手段もなく、また自分が保有する情報が誰にとって有益なのか、誰にも分らなかったのです。
災害時には多種多様な情報が、多種多様な組織から、多種多様な形式で発信されます。これらを共有し、その中から必要な情報を必要な形に加工して利活用することができるのが、SIP4Dなのです。
▼みちのくアラート2014 (前回の訓練)の様子
(photo : 防衛省)
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