ハングルが書かれた木造船の漂流・漂着 北海道付近に集中
海上保安庁は、日本海沿岸で確認された北朝鮮籍とみられる木造の漂流船の数が、昨年を上回る過去最多ペースとなっていると明らかにしました。
日本海沿岸で北朝鮮籍とみられる木造船の漂流・漂着が今年も相次いでいる。これまでに89件が確認され、過去最多だった昨年の104件に迫る。日本の排他的経済水域(EEZ)内では、密輸による外貨獲得などが目的とみられる北朝鮮漁船の違法操業が確認されている。海上保安庁は漂流・漂着船の多くがこうした漁船とみている。秋以降は北海道付近に集中しており、同庁は警戒を強めている。
海上保安庁によると、今年の北朝鮮籍とみられる船の漂流・漂着は9日時点で89件。11月末時点で59件だった昨年を上回っている。このうち5件で計12人の遺体が確認されている。
漂流・漂着は日本海で西からの季節風が強まる秋から冬にかけて増える傾向にある。今年も1、2月に計35件確認された後、各月1桁台で推移し、今月は9日時点で27件と急増している。
北海道小平町の海岸で7日に見つかった北朝鮮籍とみられる木造船 (photo : 海上保安庁)
北海道利尻町の海岸に漂着し、港に保管されている木造船
木造船の漂着、漂流が相次いでいます
10日午前7時ごろ、青森県中泊町の下前漁港沖で、無人の木造船が漂流しているのを釣り人が見つけた。船にはハングルとみられる文字が表記されており、青森海上保安部は、北朝鮮から漂着した可能性があるとみて調べる。
青森海保によると、船は長さ約11メートルで幅約2.5メートル。船首部分に赤字で「814414」という数字も記載されていた。船にはイカ釣り用の針と釣り糸のほか、鍋やスプーン、雨具、靴下などが残されていたという。
青森沖に無人木造船漂流 北朝鮮船か (産経新聞)
青森県中泊町沖で漂流していた木造船 (photo : 青森海上保安部)
漂流船の撤去費用は北朝鮮に請求できず、県や自治体が負担することになります。一隻当たり五十万円から数百万円かかることもあり、何隻も処分となると自治体での処理には限界があるようです。
漂流・漂着船の多くは、違法操業を行う北朝鮮の密漁船です。日本海沿岸の安全のため、海上保安庁は監視警戒活動を強めています。
我が国周辺海域の豊富な水産資源を狙い、違法操業を行う外国漁船は後を絶ちません。
これら外国漁船は、夜間や荒天下に排他的経済水域(EEZ)の境界付近などの遠方海域で違法操業を行い、さらには巡視船艇・航空機の接近を察知すると摘発を逃れるため長時間にわたって逃走するなど、その態様は広域化、悪質化しています。海上保安庁では、引き続き、関係機関のほか地元漁業者などの地域住民との連携・協力を図り、情報収集・分析活動に基づく巡視船艇・航空機の効率的な運用を図るとともに、逃走・妨害等を行う外国漁船を停船させるために必要な能力のさらなる向上を図ることにより、厳正かつ的確な監視取締りを実施しています。
昨年の漂着船関連のニュース
▼ 朝鮮半島からの“漂着船”83隻 統計開始から最多 (2017年)
▼ 北朝鮮の漂着船が動いた 巡視船ロープ切り逃走か (2017年)
▼「松前小島から家電持ち出した」北朝鮮からの乗組員 (2017年)
▼北の漂着船から“動かぬ証拠” 南北融和のウラで大量上陸作戦か (2017年)
Leave a Comment