2018年7月15日~8月31日、教務要員として陸上自衛官5名がパプアニューギニアに派遣され、軍楽隊の演奏に必要な楽器奏法、行進演奏等を指導しました。
パプアニューギニアは2018年11月開催のAPEC閣僚・首脳会議のホスト国であり、音楽教育や吹奏楽器演奏が浸透していない同国にとって、外交儀礼等で演奏する軍楽隊の能力向上が喫緊の課題となっていました。そのため防衛省は、外務省やJICAと連携して、パプアニューギニア国防軍軍楽隊に対する能力構築支援事業のために2015年から軍楽隊要員を日本に招聘したり、陸自音楽隊要員を現地に派遣して、軍楽隊に必要な知識・技能の向上のため教育を行っています。
軍楽隊の演奏に必要な知識・技能の更なる向上に向け、パプアニューギニア(PNG)での長期間に亘る音楽教育(約1か月半)を行い、楽器奏法(個別・合奏)、行進演奏等を指導しました。今回の音楽指導を通じ、PNG軍楽隊は中級程度の合奏が可能な技術レベルに到達しています。いよいよ11月にはPNGでAPECが開催されます。そして、PNG軍楽隊の準備も整いつつあります。
パプアニューギニアでの軍楽隊育成の様子
(YouTube – 防衛省チャンネル)
▼ 陸上自衛隊のTweet
海自護衛艦「さざなみ」が、9月19日(水)から22日(土)の間、パプアニューギニア独立国のポートモレスビー港に寄港した際、陸上自衛隊 (中央音楽隊)の能力構築支援 として演奏 を指導したパプアニューギニア軍楽隊による、歓迎演奏が行われました。
【防衛協力・交流情報】
海自護衛艦「さざなみ」が、9月19日(水)から22日(土)の間、パプアニューギニア独立国のポートモレスビー港に寄港した際、#陸上自衛隊 (#中央音楽隊)の #能力構築支援 として #演奏 を指導したパプアニューギニア軍楽隊による、歓迎演奏が行われました。#PapuaNewGuinea pic.twitter.com/YOJ2HAp3Ow— 陸上自衛隊 (@JGSDF_pr) September 25, 2018
能力構築支援事業とは
能力構築支援とは、自国が有する能力を活用し、他国の能力の構築を支援することです。
国際社会においては、人道支援・災害救援、地雷・不発弾処理、防衛医学、海上安全保障、国連平和維持活動などの安全保障・防衛関連分野においても、能力構築支援の重要性が認識されています。
東南アジア諸国をはじめとする国々の防衛当局からは、防衛省に対し、国際会議や二国間会議などの様々な機会を捉え、自国の能力構築への支援要請が寄せられています。
対象となる国々に対して人道支援・災害救援に係る技能など、自衛隊が有する非軍事分野の知見を提供しています。対象国が希望する能力を育むこの支援は、地域の安定化に貢献し、日本の安全もより確かなものにします。現在では、米国など、同様の活動を進める諸外国とも連携を進めています。
能力構築支援は、整備や医療など軍の活動の基盤になる知見を提供することで対象国の軍事組織の能力を育むことになるため、災害やテロなど様々な脅威に直面している対象国の発展を助け、結果的に地域の安定化に貢献することになります。
東南アジア諸国など海に面する地域が安定化すれば、貿易額の約7割を海上貿易に依存している日本の経済や生活もより安全なものになります。また、支援を通じて、海洋や航空に関する国際法の知識や情報を対象国と共有することができるため、国際社会の規範形成に寄与することもできます。
もちろん、支援を行うことで人的交流も生まれ、各種の情報を相互に共有できるようになるため、対象国との関係を強化することにもなります。実際、2015年、航空自衛隊の基地等で物資の航空輸送に関する研修を受けたフィリピン空軍からは、後日、「航空自衛隊は信頼できる兄貴分(strong brother)」であり、「関係を深めたい」というメッセージが空軍司令官から寄せられています。
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