2020年東京オリンピック・パラリンピック開幕まで約1年半、様々な競技で日本代表の選手選考が本格化してきました。10月31日から11月2日まで開催された「第58回 近代五種 全日本選手権大会」では、 自衛隊体育学校所属の選手が優勝して、オリンピックの「近代五種」競技の代表選考に弾みをつける結果を出したようです。
多彩な技術と高い戦略性が求められる競技 近代五種
1人の選手が1日に5種類の競技をこなす「近代五種」は、これまで日本ではあまり馴染みがなかったかもしれませんが、ヨーロッパではキングオブスポーツとも呼ばれている、とても人気ある競技のひとつです。
全く性質の異なる5つの競技(1.フェンシング、2.水泳、3.馬術、4.ランニング、5.射撃)を1日で行い、その総合成績で順位を争うという、体力的にも精神的にも非常に過酷なスポーツです。
近代五種の起源は、19世紀ナポレオン時代のフランスで
騎兵将校が馬で敵陣に乗り込み→「馬術」
次々と現れる敵を剣と銃で敵を打ち倒し→「射撃」「フェンシング」
川を泳いで向こう岸に渡り→「水泳」
丘を走り抜ける→「ランニング 」
という故事からできたようです。
近代五種とは、「近代」の「5種類の競技」という意味ですが、その5種類とは、馬術、水泳、フェンシング、コンバインド(射撃、ランニング)を指します。
それでは、近代五種の「近代」とは何か? 近代オリンピックの父・クーベルタン男爵が、近代オリンピックを創設する時、古代アテネオリンピックの五種競技(レスリング・円盤投・やり投・走幅跳・短距離走)にならい、「近代」オリンピックでの五種競技をと考案・創設したのが近代五種であり、このことから「古代」五種競技に対して「近代」という言葉がつけられています。
正に近代五種は、クーベルタン男爵によって近代オリンピックとともに生み出された競技で、近代オリンピックの精神を体現する競技、その申し子であり、数あるオリンピック競技の中で唯一、国際オリンピック委員会(IOC)から誕生した競技です。
ひとりで5種目分の用具(水着、武器・防具、乗馬服、鞍、ピストルなど)を用意し、異なる5ヶ所で練習を行うなど、試合以外での苦労もとても多そうです。
日本では「近代五種」の認知度は低く、競技内容の詳細や観戦方法などもあまり知られていないためにマイナースポーツのイメージがあるようですが、「脱マイナー」を図るため、そして2年後の東京五輪に向けて知名度をあげていくために、東京2020五輪のオフィシャルパートナーである日清食品が応援サイトを公開しています。
近代五種 全日本選手権 自衛隊体育学校の嶋野光選手、島津玲奈選手が優勝
10月31日から11月2日まで、「第58回 近代五種 全日本選手権大会」が味の素スタジアム西競技場と東関東ホースプロジェクトで行われ、 自衛隊体育学校所属の嶋野光2等陸曹、島津玲奈3等陸曹が、2年ぶり2度目の優勝を飾りました。
陸上自衛隊のTweet
【自衛隊体育学校情報】
10月31日から11月2日までの間、「第58回 #近代五種 全日本選手権大会」が #味の素スタジアム 西競技場と東関東ホースプロジェクトで行われ、 #自衛隊 #体育学校 から男子11名、女子3名が参戦しました。
詳しくはコチラ⇒ https://t.co/RZKsofrnUB@japankingo pic.twitter.com/nysVbVVsJN— 陸上自衛隊 (@JGSDF_pr) November 9, 2018
自衛隊体育学校ホームページより
▼自衛隊体育学校ホームページのフォトギャラリーでは、東京五輪で大きな活躍が期待される選手たちの競技や練習の様子を見ることができます。様々な競技に出場する自衛官アスリートたちの今後の活躍が楽しみです。
PHOTO GALLERY – MODERN PENTATHLON (自衛隊体育学校)
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