海の緊急通報用電話番号、118番
毎年夏休み、特にお盆休みの期間に水難事故が最も多発しています。ちょっとした油断が大事故につながりかねないので、海水浴や釣り、サーフィンやボートなどのレジャーは十分な注意が必要です。
海で水難事故に遭遇したり、目撃した時の連絡先に、118番という番号があるのをご存知でしょうか? 万が一溺れている人や事故を目撃したり、アクシデントが起きてしまった時には、海上保安庁の「緊急通報用電話番号 118番」に電話してください。通報を受けた海上保安庁は、他の救助機関と連携して救助に向かいます。
次のような場合に通報してください。
・ 油の排出等を発見した。
・ 不審船を発見した。
・ 密航・密輸事犯等の情報を得た。
118番には「いつ」、「どこで」、「なにがあった」などを簡潔に落ち着いて通報してください。加入電話、公衆電話、携帯電話、PHS、船舶電話などから利用できます。
水難事故が最も多い7月と8月
2017年の7月、8月は、わずか2か月間で事故件数511件、水難者647人、うち死者・行方不明者計248人で、年間に占める割合は、事故件数は約38%、水難者は約40%、死者・行方不明者は約37%になりました。
この時期には、船舶事故、マリンレジャーに伴う事故、遊泳及び釣りに関係する事故が急増します。水の事故を防ぐためには、海や川などの自然環境の特徴を理解し、水難につながりやすい要因、危険な行為などを知っておくことが大切です。
小型船舶、プレジャーボートの事故
海上保安庁の発表によると、プレジャーボート(モーターボートや水上オートバイ、クルーザーなどの総称)の事故も夏に多く、7月と8月の2カ月間で、年間の事故の3割以上が発生しています。
運航不能になるプレジャーボートのうち、発航前の検査で防げる可能性のある機関故障、バッテリー過放電、燃料欠乏などのトラブルが全体の5割以上を占めています。その他には、見張りを怠ったり、スピードの出しすぎなどの危険な運転から起こる衝突事故や、浅瀬や定置網などに乗り上げてしまう乗揚事故も多くなっています。座礁しそうな海域を知らずに猛スピードで走っているプレジャーボートを見たことがありますが危なくてヒヤヒヤしてしまいました。
また、7月と8月には、花火大会に関連する船舶海難も多くなります。花火大会終了後、多くの船が一斉に帰港をするために他の船舶と衝突したり、目標とするブイを見間違えて防波堤に衝突する事故が起こっています。
トーイング遊具で重傷を負う事故が多発
また最近では、トーイング遊具(プレジャーボート等に曳航されるバナナボート等の遊具)を曳航中に、他の水上オートバイや筏等に衝突し、遊具に乗っている人が怪我を負ったり、プレジャーボートや水上オートバイが曳航するバナナボートから落ちて、頚椎損傷等の重傷を負う事故も多発しているようです。
事故防止のためには、障害物がない見通しの良い広くて安全な海域で、しっかりとした保護具を着用し、安全なスピードを心がけることが大切です。
目を離した隙に起こる子どもの事故
過去の水難事故について調べてみると、保護者が子どもからちょっと目を離した隙に起こってしまう事故が非常に多いです。保護者は絶対に子どもから目を離してはいけません。子連れで飲酒など親の不注意も多くなっているようです。天候の変化や熱中症にも最善の注意を払いましょう。
【幼児の事故多発、保護者は目を離さない、手を離さない!】
海水浴中に、保護者が目を離した隙に溺れたり、乗っていた遊具が風で沖に流されるといった、幼児の事故が相次いで発生しています。
保護者の皆様は、幼児から目を離さず、手をしっかり繋いで事故のないよう海水浴を楽しんで下さい。 pic.twitter.com/IzucTd2wqC— 海上保安庁 (@JCG_koho) August 9, 2018
水難事故に遭わないための注意事項
海水浴を中心に、海で安全に遊ぶための注意点を紹介します。「離岸流」や「急な深み」にも注意が必要です。
・ 気象状況に注意し、悪天候時は水場に近づかない。
・ 飲酒後、睡眠不足、疲労時等の体調不良時には水に入らない。
・ 自分の体力、技術を過信しない。
・ 海水浴場、プールなどではルールを守る。
・ 泳ぐときには必ず準備運動を行う。
・ 子どもから目を離さない。
・ 魚釣りやボートに乗るときは必ずライフジャケットを着用する。
もし何かアクシデントが起きてしまった時は、118番へ連絡して海上保安庁の指示にしたがってください。
海上保安庁では、2010年度から毎年1月18日を「118番の日」とし、「118番」の重要性を多くの人に理解してもらうため、全国で周知活動を行っています。しかし通報の多くが間違い電話などで、110番や119番に比べると知名度はまだまだ十分に浸透しているとは言えない状況のようです。
大切な家族や友人はもちろんのこと、もしかしたら時には自分を助けることにもなるかもしれません。この機会に皆さんもぜひ「海のもしもは118番」というキャッチフレーズを覚えておいてください。
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