遊泳禁止の海岸 一瞬目を離した隙に、離岸流に巻き込まれ沖へ
北海道上ノ国町の海岸で両親らと海水浴をしていた2歳の女の子が波にさらわれて流され、駆けつけた消防署の隊員により沖合2キロ弱の海上で無事に救助されました。女の子は離岸流に巻き込まれ、ユニコーン型の浮き具にしがみついたまま40分近く漂流。現場は海水浴場として開放されていない海岸でした。
2日午後1時半ごろ北海道上ノ国町の海岸で両親らと海水浴に来ていた2歳の女の子が沖に流されました。女の子は、馬の形をした子ども用の浮き輪にしがみついた状態で両親と遊んでいましたが、潮の流れが早く少し目を離したすきに、どんどん流されていったということです。女の子は40分近く漂流し、沖合2キロの地点で消防にプレジャーボートで救出され、けがはありませんでした。
2歳女児が40分近く“海を漂流” 浮き輪に乗り…無事救出 海水浴場として開放されていない海岸 (STVストレイトニュース)
駆け付けた消防隊員が語った、救助の舞台裏
▼女の子を救助した、上ノ国 (かみのくに) 消防署 仲沢嘉彦次長のコメント
「この辺はすごく波が三角になって危ない状態になるものですから、もう少し風が強かったら危なかった」
救助の状況を語る上ノ国消防署の仲沢次長です。
2日午後1時半ごろ上ノ国町の海岸で、両親らと海水浴に来ていた2歳の女の子が沖に流されました。子ども用の浮き輪にまたがった状態で両親と遊んでいた女の子。親が少し目を離したすきに沖へ流されていったといいます。一緒に来ていた両親の友人から救助の要請を受けた上ノ国消防署はプレジャーボートで女の子の元へ。駆け付けた仲沢さんらは、陸から肉眼で確認できない沖合およそ2キロの地点で浮き輪にしがみつく女の子を発見。40分近くも漂流していました。「(女の子は)しがみついて泣きじゃくっていた。寒い寒いということで、ボートに積んでいたタオルケットをかけて保温しながら港に搬送した。海に落ちていたら大変なことだった」
「どさんこワイド179」 (STV)
幸い女の子にけがはありませんでした。現場は海水浴場ではなく、消防によりますと女の子は岸から沖に向かって潮が強く流れる離岸流に流されたとみられています。
北海道・上ノ国町の海岸から入った一本の通報。
「子どもが沖に流された」
現場は海水浴場としては開放されていない海岸のため、監視員も不在。いったい何があったのでしょうか。
消防によりますと、流されたのは2歳の女の子。女の子は両親らと海水浴に来ていて、ユニコーンの形をした子ども用の浮き輪にしがみついた状態で遊んでいたといいますが…潮の流れが速く、少し目を離したすきに女の子は沖の方へ。大人が泳いで追いかけましたが、追いつけなかったということです。
不安に包まれる中、一緒に来ていた両親の友人が消防に通報。すると…
上ノ国消防署・仲沢嘉彦次長「私は休みでうちにいまして」
その知らせは当日、休みで家にいたという仲沢さんにも届き、すぐに個人のボートを出し救助へ向かいます。
仲沢次長「前にもちょっと同じような事案があったので、すぐ船出せるような形にはしてたんですけど、私の気持ちの中では」
女の子は40分ほど漂流していましたが、沖合2キロの地点で仲沢さんらが発見。
仲沢次長「(女の子は)ゴムボートにしがみついて、泣きじゃくっていたという感じで。そしたら寒い寒いということでボートに積んであるタオルケットで保温しながら港に搬送した。よかったって。海に落ちたら大変なことだった」
海水浴の2歳女児が浮き輪で沖に…漂流 (ABS秋田放送)
▼檜山広域行政組合 上ノ国消防署
北海道南西部、檜山振興局管内最南端の消防署
知らないと怖い「離岸流 」
離岸流とは、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に発生する強い流れのことです。波は沖から海岸へ打ち寄せますが、海水はどんどん岸に貯まるので、どこかから沖にもどろうとします。この時、岸から沖の方へ向かって一方的に流れる速い流れのことを離岸流(リップカレント)と呼びます。(第九管区海上保安本部海洋情報部)
離岸流が起こる場所
・海岸が外洋に面しているところ
・遠浅で、海岸線が長いところ
・近くに人工構造物があるところ
離岸流に流されると、知らず知らずのうちに沖まで流されてしまうことがあるので、注意が必要です。
離岸流に流されたらどうする?
・あわてず落ち着く (パニックにならない)
・可能であれば、まわりの人に流されていることを知らせる
・岸と平行に泳ぐ(岸に向かって泳がない)
・沖向きの流れを感じなくなったら、岸に向かって泳ぐ
・泳ぎに自信のない方は、無理に泳ごうとせず浮くことに専念する
茨城海上保安部 離岸流の怖さ実演、水難事故に備えた訓練を公開
▼「今夏、監視員がいない遊泳禁止の海水浴場では自粛を」
離岸流が発生しやすい「ヘッドランド」と呼ばれる人工岬周辺での水難事故に備え、茨城海上保安部は31日、鉾田市玉田の玉田海岸で離岸流に対処する救助訓練を実施した。
離岸流は、水難救助のプロである海上保安庁の特殊救難隊員でも逆らって泳ぐことは難しく、事故の際に死亡率が高い。同海保は、周辺に近づかないよう呼び掛けた。
訓練は同保安部や羽田特殊救難基地(東京)の隊員ら23人が参加。ヘッドランド付近で泳いでいた男性が離岸流で岸に戻れなくなった、との想定で行われた。
遭難者役の隊員が、ウエットスーツや足ヒレを着用した状態で離岸流に逆らって泳いだものの、1、2分と持たず沖に流された。特殊救難隊員がヘリコプターからロープをつたって遭難者役の元に向かい、つり上げて救助した。
同保安部の北口充交通課長は「(開設中止となった)今夏の県内海水浴場と同様、ヘッドランド周辺は監視員がいない。遊泳は自粛してほしい」と話した。同保安部によると、ヘッドランド周辺は立ち入り禁止となっているが、水難事故は後を絶たない。県内では昨年までの10年間で40人が事故に遭い、うち半数近い18人が死亡した。
茨城海保 人工岬「近づかないで」 鉾田で水難救助訓練 (茨城新聞)
▼離岸流の怖さ実演 茨城海保 鉾田で訓練 (茨城新聞)
ネットの反応
消防隊員の対応、素晴らしいです。こういう時に臨機応変に柔軟に対応できる人ってすごいですね。この人が船を出していなかったらどうなっていたか…
自分も子供のときに経験あるけど、離岸流に乗ってしまうと、一瞬で浜辺から遠ざかって数百メーター沖に流されて岸にいる人間はみえなくなる。
うちの子も海で流された事あり。風でいとも簡単に流されてしまいました。血の気が引き、狂ったように叫びました。ライフガードに助けてもらい、事なきをえましたが。我が子が流されていく姿を見ながら何も出来ないのは本当に辛いし恐ろしいです。
付近では遊泳が禁止って書いてあるけど、そんな所で遊ばせてたの?親御さんも怖かったでしょうけども、消防隊が間に合って本当に良かった。まさに「奇跡」です。
大人でも40分海の上で漂流なんて恐怖でしかない。賢く強い子、無事で良かった。消防の救助活動にも感謝しかありません。
2歳なのに40分もの間ちゃんと浮輪から離れず…。偉い。そして運も良かった。海なら一瞬でも目を離しちゃダメ。親はほんと目を離さないで欲しい。
流行りの映えな浮き具って大きくて風があるとより流されやすい。紐なんか付いてない物も多いしね。子供がとにかくじっとしてよく頑張った。
この時期、海、川、プールなどの水遊びは何が起こるかわからない。細心の注意が必要ですね。水難救助にあたっておられる全ての方々に心から感謝御礼申しあげます。
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