日本の排他的経済水域(EEZ)にあるスルメイカなどの好漁場、日本海の「大和堆(やまとたい)」で、北朝鮮籍とみられる数多くの外国漁船による違法操業が相次ぎ、日本の漁船が投石される被害も発生しています。
現場では海上保安庁の巡視船が退去警告や放水で取り締まりを強化してきましたが、秋のイカ漁の最盛期に入り、漁場に約1500隻の違法操業船が押し寄せているようです。
国連決議による経済制裁で外貨獲得が厳しくなり、国を挙げて密漁を展開している北朝鮮の犯行によって、日本の領海で、日本漁船が自由に操業できず、別の漁場への移動を余儀なくされる事態が続いています。
漁業関係者によると、秋のイカ漁の最盛期に入り、漁場に約1500隻の違法操業船が押し寄せており、日本の漁船が投石される被害も発生した。全国いか釣り漁業協会は26日、水産庁に警備強化の要望書を提出する予定だ。
水産庁によると、今年は大和堆から北東約700キロにわたる日本とロシアのEEZの境界線付近に、木造船に加え、鋼鉄製の船が押し寄せている。同庁の取締船が放水するなどして退去させているが、日本のEEZ内に出入りを繰り返し、日本漁船が近くで操業できない状況が続く。石川県漁協小木支所のイカ釣り船団の平塚秀樹船団長(65)は「放水を警戒して、日本船の陰に隠れたりする。拿捕(だほ)などを含め、警備を強化してほしい」と憤る。
北の密漁船か、今年も大和堆に集結…投石被害も(読売新聞)
(TBSテレビ)
我が国周辺海域の豊富な水産資源を狙い、違法操業を行う外国漁船は後を絶ちません。
これら外国漁船は、夜間や荒天下に排他的経済水域(EEZ)の境界付近などの遠方海域で違法操業を行い、さらには巡視船艇・航空機の接近を察知すると摘発を逃れるため長時間にわたって逃走するなど、その態様は広域化、悪質化しています。海上保安庁では、引き続き、関係機関のほか地元漁業者などの地域住民との連携・協力を図り、情報収集・分析活動に基づく巡視船艇・航空機の効率的な運用を図るとともに、逃走・妨害等を行う外国漁船を停船させるために必要な能力のさらなる向上を図ることにより、厳正かつ的確な監視取締りを実施しています。
尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入に対する警備に加え、いくら排除してもやってくる北朝鮮の密漁船への対処。海上保安官の負担軽減も急務だと考えられます。
(photo : 海上保安庁 2017年)
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