韓国警備艦の操業停止要求 外務省「断じて受け入れられない」と抗議 

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「大和堆」で韓国警備艦が日本の漁船に操業中止を要求 

日本の排他的経済水域(EEZ)で、韓国海洋警察庁警備艦が日本の漁船に対して操業停止を要求して接近。海上保安庁の巡視船と水産庁漁業取締船が連携して対応し、日本の漁船が保護されるという事件が起きました。

外務省は韓国側に抗議

外務省は韓国に対して「断じて受け入れられない」と抗議、再発の防止を求めています。

1. 11月20日夜,日本海の我が国排他的経済水域において,韓国海洋警察庁警備艦から,同海域において操業していた日本漁船に対し,操業停止と他の水域への移動を要求する旨の無線交信が行われる等の事案が発生しました。

2.これを受け,外交ルートを通じ韓国側に対し,本件韓国側警備艦による日本漁船への一連の行動は,明らかに日韓漁業協定に反しており,我が国として断じて受け入れられない旨強く抗議するとともに,再発防止を求めました。

(平成30年11月21日  外務省)

 

これに対して韓国側は「慣れない海域での警備のため、現場がルールを理解していなかった」と釈明しているようです。

日韓漁業協定では、日本の排他的経済水域では日本が操業条件を決め、韓国漁船は日本の許可を受けて漁業をすることになっていますが、韓国漁船による乱獲などの違法操業があとを絶たず、両国間で協議をしても意見の相違があり物別れに終わっていました。

 

水産庁がプレスリリースを発表

韓国海洋警察庁警備艦の日本漁船への接近について

・平成30年11月20日(火曜日)に、大和堆周辺の我が国排他的経済水域内において、韓国海洋警察庁警備艦から日本漁船が操業停止要求を受け接近されたため、付近の水産庁漁業取締船及び海上保安庁巡視船が連携して対応し、日本漁船の安全を確保しました。

・また、水産庁から関係日本漁業者に対し、当該水域は日韓漁業漁業協定上操業可能な水域であること等を伝えました。

 

1.事件の概要

平成30年11月20日午後8時30分頃、大和堆周辺の我が国排他的経済水域内において、韓国海洋警察庁警備艦から、同海域で操業していた日本籍いか釣り漁船「第八十五若潮丸」(184トン、北海道根室市所属)に対して、「操業を止め、海域を移動するよう」無線交信が行われたことを水産庁漁業取締船及び海上保安庁巡視船が確認しました。
これを受け、漁業取締船は、日本漁船の付近に位置取り、韓国警備艦に対し、日韓漁業協定上日本漁船が操業可能な水域であり、日本漁船に対する要求は認められない旨無線で申し入れました。
その後、韓国警備艦は日本漁船への接近を止め、日本漁船の安全が確保されました。

 

2.関係日本漁業者への説明

また、本日、水産庁から関係日本漁業者に対し、(1)当該水域は日韓漁業協定上操業可能な水域であること、(2)既に外交ルートで抗議し、再発防止を求めていることを伝達しました。

 

3.今後の対応

日本漁船の操業に支障がないよう、海上保安庁等と連携し対処していきます。

(平成30年11月21日  水産庁)

 

 

産経新聞の報道

日本の排他的経済水域(EEZ)にあたり、日韓漁業協定に基づき日本漁船が操業できる日本海の海域で、韓国海洋警察庁の警備艦が日本漁船に操業中止を要求したうえ、船体を接近させていたことが21日、分かった。日本政府は外交ルートで韓国に抗議した。

海上保安庁によると、20日午後8時30分ごろ、大和堆(やまとたい)周辺の日本のEEZで操業していた根室漁協所属のイカ釣り漁船「第85若潮丸」(184トン)に対し、韓国艦が操業を中止し海域から移動するよう無線で要求。

無線内容を把握した海保の巡視船が韓国艦の申し入れには根拠がないとして、「(要求は)認められない」と無線で連絡したが、韓国艦は日本漁船に約700メートルまで接近。巡視船が警備艦と漁船の間に入って保護する形となったところ、警備艦は現場から離れた。

外務省によると、現場は日韓漁業協定で両国の操業が認められ、取り締まりはそれぞれの国が自国船に対して行う取り決めになっている。

韓国側の行為に対し外務省は20日、「日韓漁業協定に反した行動は受け入れられない」などと抗議。海保は「大和堆周辺の海域で操業する日本漁船の安全確保に努めていきたい」としている。韓国側が海域の定義を誤認していた可能性があり、政府は詳細な状況の確認を進めている。

韓国警備艦の操業中止要求、外務省が抗議(産経新聞)

 

大和堆周辺は、イカなどの好漁場として知られており、北朝鮮漁船の違法操業などが問題となっていますが、11月15日には、同じくEEZ内大和堆付近で日本の漁船と韓国の漁船が衝突し、韓国船員13人が付近の漁船に救助されたという事件があったばかりでした。

 

15日午前9時35分ごろ、石川県の能登半島から北西約250キロの日本海で、日本の漁船と韓国漁船が衝突した。双方の乗員計21人にけがはなかった。現場は日本の排他的経済水域(EEZ)内で、北朝鮮船の違法操業が問題化しているイカなどの好漁場「大和堆(やまとたい)」周辺。海上保安庁は現場に巡視船や航空機を派遣し、事故原因や当時の状況を調べている。

海保などによると、日本側の漁船は山形県の酒田港に所属するイカ釣り船「第38正徳丸(しょうとくまる)」で、乗員8人は無事。現場から離れて帰航した。一方、韓国当局などによると、韓国側の漁船「3088MUNCHANG」は浸水したため、船員13人全員が付近で操業中の漁船に救助された。

日本EEZ内「大和堆」で日韓の漁船衝突 けが人なし(産経新聞)

 

11月15日、衝突した韓国漁船(左)と救助に向かった海保の巡視船「ぶこう」搭載の救難艇

(photo : 第九管区海上保安本部)

 

 

日本の排他的経済水域(EEZ)

国連海洋法条約の関連規定に基づいて日本が保有する排他的経済水域

(海上保安庁)

 

 

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