SM-3ブロック1B 大気圏外において標的に命中
海上自衛隊と米国ミサイル防衛庁によるイージス弾道ミサイル防衛(BMD)の迎撃試験が行われ、護衛艦「あたご」(DDG-177)が、大気圏外迎撃ミサイル「SM-3ブロック1B」による弾道ミサイル迎撃テストに成功しました。
弾道ミサイル対処能力を付加するための改修を実施したイージス護衛艦「あたご」は、9月12日(現地時間11日)にハワイ・カウアイ島沖においてSM-3ブロックⅠBの発射試験を実施しました。
この試験の概要は以下のとおりです。
・17時37分(現地時間22時37分)、カウアイ島の米海軍ミサイル発射試験施設から、この試験を支援する米軍が標的である模擬弾道ミサイルを発射。
・イージス護衛艦「あたご」がSM-3ブロックⅠBを発射。SM-3ブロックⅠBは大気圏外において標的に命中。
イージス護衛艦「あたご」からのSM-3ブロックⅠB発射試験の結果について(防衛省)
この迎撃試験は「あたご」が搭載するイージスシステムに弾道ミサイル防衛(BMD)機能を追加して「イージスBMD」へとアップグレードし、その機能について検証するためのものでした。米国ミサイル防衛庁協力のもと「JFTM-05」という名目で実施されました。
すでに「イージスBMD」に対応済みの「こんごう」型ミサイル護衛艦の4隻に続くもので、これにより日本のイージス艦6隻中5隻が弾道ミサイル防衛(BMD)の対応艦となり、次は「あたご」型2番艦「あしがら」も同様の試験を行う予定ということです。
わが国は、弾道ミサイル攻撃などへの対応に万全を期すため、平成16年度から弾道ミサイル防衛(BMD:Ballistic Missile Defense)システムの整備を開始しました。現在までに、イージス艦への弾道ミサイル対処能力の付与やペトリオット(PAC-3:Patriot Advanced Capability-3)の配備など、弾道ミサイル攻撃に対するわが国独自の多層防衛体制の整備を着実に進めています。
弾道ミサイル防衛(BMD)について(防衛省)
BMD整備構想・運用構想(イメージ図)
迎撃試験の映像が公開されています
海上自衛隊「護衛艦あたご」がSM-3ミサイルの迎撃試験に成功 – イージスBMD (USA Military Channel)
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